第3章

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リムは自分にそう言い聞かせて前を見た。 そして、足を止める。 「えっ・・・」 リムは信じられないというように声を漏らす。 少し歩いた所でウォルターもリムの異変に気付いて立ち止まる。 「どうかしたか?」 「あ・・・何で・・・」 リムはウォルターの質問に答えずに今、見つめている場所に歩き出す。 その場所はリムが勤めている新聞会社の目の前にあるゴミ捨て場。 そこには、見覚えのあるものがたくさん捨てられていた。 リムは震える手でゴミ捨て場にあった見慣れた封筒を手に取り中身を見る。 人々が笑顔で写っている写真。 今日の朝までリムの机の中にあった写真だ。 リムが仕事場に置いていた私物や今まで書いて来たリムの記事が捨てられていたのだ。
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