第3章

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ウォルターは頭を押さえる。 リムは申し訳なさそうに俯く。 「ごめん・・・」 「いや、大丈夫だ」 ウォルターは袖を捲くりあげると傷の上に手を翳す。 『忌ま忌ましいこの傷を痕を残す事なく消し去れ・・・ケアルディーテ』 ウォルターの呪文と同時に手の平から暖かな光りが生まれ、傷口を癒す。 ウォルターが手を退かせばそこにもう、傷は無かった。 リムは息を飲む。 「魔法・・・」 ウォルターは袖を戻しながら肩を竦める。 「簡単な魔法だ。そんな驚くことはない」 リムは首を横に振り、さっき光りが生まれたウォルターの手を掴み撫でる。 「魔法が使えるのいいね。・・・魔法が使えれば大切な人を救える」 リムは深く俯き呟く。
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