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「ごめん紫苑っ!!バスなかなかこなくて…」
「せっかく人が映画誘ってあげたのに、遅刻するとか酷いよね…
ボク、春が来ないから違うオニーサンたちについてこうかと思っちゃった」
「ご、ごめんなさいっ!!!それだけは…、それだけはやめてくださいっ!!!」
「春って低姿勢だよね
ふふ、そんなに虐められたいの?
てかさ、そっちのが年上だよね
年下の、しかも女の子に、こんな見下されて、そんなに嬉しいの?」
「ち、ちが…」
「違わないよね。だって、春はボクの犬だもの」
「ぅ…」
ナレーションも入れれないほどのテンポの良さで2人は話す
黙ってしまった春に紫苑はニコッと微笑む
「さぁ、行こっか
あ、チケットは春の奢りね」
スタスタと先に歩き出し、紫苑は駅の中へ入っていってしまった
「は、はい…ってちょっと待ったっ!!奢り?奢りなの?」
黒いオーラをまとい、くるっと振り向いた紫苑
「なにか文句でも?」
「い、いえ…」
春がかなうはずもない
「…でも可哀想だから、ジュースとポップコーンは買ってあげる」
紫苑はそう言い放つと乗車券を買いに行ってしまった
「やっぱりあいつ素直じゃねぇよなぁ…」
苦笑混じりに笑うと、紫苑の後を追いかけて走って行った
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