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電車の中。
「…………」
「あ、あのぉ…紫苑さん…?」
さっきから遅刻の罰かというかのように紫苑は俺を無視し続けている
放置が一番嫌いなのを知っていてやっているからたちが悪い
「なぁ…頼むからやめてくれって
少しくらい話してくれたっていいだろぉ?」
涙ぐみながら紫苑に泣きつく
「………フッ」
「鼻で笑うのは酷いだろっ!!?」
「……遅刻」
「あぅ…」
-10分後
「紫苑…?」
「……………」
「そろそろ話してくれたっていいだろぉ?」
しかし…
「…………zz」
「ん?あり?紫苑?」
はじめは意図的な無視だったが睡魔に負け、少し前から眠っていたのだった
「…たっく、しょうがないな」
苦笑いして、紫苑の頭を自分の肩に乗せた
自分の服を握りしめてる紫苑の手をほどき、自分の手を握らせる
「やっぱまだお子様だな」
苦笑しつつ空いている手で頭を撫でてやる
目的地にたどり着くまでなにか悪戯をしてやろうかと企む春なのであった
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