Blue Bird

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「ははは……頼もしいこった。」 青い鳥はアンジェラの肩を軽く叩いてその場から姿を消す。 「姫様!そろそろ……」 兵士の一人がアンジェラの下にやって来て時間を告げる。 「うん、分かった。」 アンジェラは剣と鎧を身に付けるために用意されたテントの中に入っていった。 青い鳥―……ありがとう…… アンジェラは心の中でそうつぶやきながらテントを出て決戦の舞台へ上がる。 青い鳥は近くの木の上でその様子を眺める。 アンジェラ……お前は何が何でも自分の国を守り抜けよ……… 自分の国を守れなかった俺のようにはならないでくれ……! 青い鳥はそう願ながら大将一騎打ちが始まるのを待った。 「それではこれより、大将の一騎打ちによる決戦を始める!」 審判がそう告げるのと同時に両者は剣を構える。 「試合―……開始!」 「先手必勝!」 敵の大将が開始と同時にアンジェラに迫る。 「取った!」 「それはどうかしら……」 アンジェラは大将の後ろに素早く回り込み首をめがけて剣を振る。 普通なら反応出来ないが大将を務めているだけあって簡単にはいかなかった。 転げるように地面に体を伏せて斬撃をよけた。 大将はすぐさま体勢を取り直しアンジェラと距離をとる。 「危ない危ない……ただの娘ではないということか!」 「くっ……!」 青い鳥の作戦が上手くいかなかった。 その後はアンジェラの防戦一方で反撃しようにも相手に上手く躱される。 (どうしたら……!) 「アンジェラ!!」 弱気になっていたアンジェラの耳に青い鳥の声が響いた。 (―そうか……そうよ…!私は!!) 「この国の姫よッ!!」 思わぬ大声に敵の大将の動きが一瞬止まる。 アンジェラはその隙を見逃さず、大将へ向けて剣を振った。
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