126人が本棚に入れています
本棚に追加
「き……貴様!何者だ!?」
敵の大将が後ずさりながら青い鳥を見る。
「はぁ~……自己紹介はもう飽き飽きなんだよ。」
青い鳥は面倒くさそうに溜め息をつく。
「その人は青い鳥。私の国を救ってくれる人よ。」
青い鳥の変わりにアンジェラが答える。
「…青い……鳥だと!?」
「おう、そうだ!ここで一つ提案があるんだが……?」
青い鳥が出した提案は「大将一騎打ち」……
敵の大将が負けたらこの国の事を諦める。
アンジェラが負けたら王の秘宝を明け渡す。
敵の大将はこれに応じ、アンジェラも了承した。
「全く……勝手な事してくれたわね。」
アンジェラは青い鳥を睨み付けながら文句を言う。
「ああ、俺は自由奔放、勝手にやらせて貰うのが大好きだ。」
その名の通り自由に空を飛び回る鳥のような人だとアンジェラは呆れる。
でもそんな生活に少し憧れる。
「おう、そうだ!お前が勝つようにまじないをかけてやる!」
青い鳥はアンジェラを見ながら笑って言う。
アンジェラはその子供のような笑顔にどきどきするがすぐペースを取り戻す。
「い……要らないわよそんなものっ!」
「俺が勝手にやるんだ。お前の意見なんて聞かねーぞ。」
「はぁ!?」
あなたってどこまでも勝手ね、と言おうとするがいきなり青い鳥に手を捕られて
タイミングを逃す。
「…母なる大地よ、大いなる空よ……この者にどうか祝福を……!」
そして青い鳥はアンジェラの手の甲にキスをする。
「な、何するのよ!?」
アンジェラは慌てて手を振りほどく。
「……ん?てっきりお姫様だからこういうの慣れてるのかと思ったが………」
「慣れて無いわよ!!」
そうか、と青い鳥はどうでも良さそうに呟きながらアンジェラに近づいてくる。
「な……なによ!?」
「いいか、敵の大将は完全にお前が女だから油断している。隙を狙え。一撃で仕留めろ。出来るな……?」
「………それが本当のまじない?」
「ああ、そうだ。俺はなにも出来ないが……」
「あなたはよくやってくれたわよ!!あとは、私がやらないと!!」
申し訳なさそうに言う青い鳥を見て苛ついたアンジェラは少し強めに言う。
最初のコメントを投稿しよう!