決意

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実紅達が賛成してくれたのはいいとして、ここからが困難だ。 「ただいまー」 家に帰ってからも、もう雪乃は決心していた。 心の準備なんて、しなくてもいい。 「お腹空いたでしょ、ご飯食べなさい」 「あのねお母さん」 「どうしたの?」 雪乃は話した。 Aクラスに入りたいこと、 あのクラスで踊りたいこと、 それを、実紅達は賛成してくれたことを。 それをお母さんは、静かに聞いてくれた。 「・・そうなの?」 「うん」 「でも、このクラスに入るにはオーディションがあるんじゃないの?」   「あ・・それは小学生までだよ」 「雪乃、そのクラスに入ってからのことも考えて言ってるの?一番上のレベルのクラスなんでしょ?」 「うん、分かってる」 前の雪乃だったら、こんなことは話さなかっただろう。 「お母さんね、雪乃来年受験あるでしょ?今はいいけど、来年大変だからそれが心配なの」 お母さんは、いつも優しい。 でも、決心したから。 「後悔することにはもう飽きたの。今入りたいの!」 お願いお母さん。 あの人と、踊りたいの・・・ 「・・・いいよ」 お母さんが納得するように言った。 「え・・いいの!?ありがとお母さん!」 「こんな前向きな雪乃見たら、ダメって言えないよ・・」 「ありがとう!うち頑張る!」 「成績下がったら考えることもあるからね!あと泣いて帰って来ないこと!」 「うん!」 そのあと、クラスのコーチに電話してメールがきた。 『Aクラスに入るのか~雪乃にしては大胆だな。でも雪乃の夢は否定しません!!そういう気持ちからダンスは上達するんだから頑張れよ!!』 雪乃がダンスを始めてから味方だったコーチと仲間との別れだった。 雪乃は、泣いていた。 でも、その涙はこれからの出会いにつながるのだった。 (みんなありがとう、そして本当にごめんね。みんなが応援してくれるから私、頑張れるよ・・・) 〈おまけ〉 Aクラスのレッスンが終わって 茜 「誰か入ってくんないかなー」 美緒 「そこはかわいい子がいいねー」 優也 「友達の条件そこかよ」 まゆ 「あーっ彼女いないから寂しーんだ。モテモテなんだから作ればいいのに」(からかうように) 優也 (そっぽ向いて)「いらねーよ」 仁 「彼女なんて早いだろ」 健吾 「んー?」(聞いてなかった) 優也 「でも健吾は彼女持ってもいい時期じゃん」(にやにや) 健吾 (笑顔で)「そんなことないよ」 全員 (ホントは欲しいくせに・・・)   おわり
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