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昨日の食堂では、
うっかり手が出ちまったが
そう何度も大勢の前ではまずいだろ。
コイツ一人ならまだしも。
今度こそ、無害な一般人としては、
大人しく食らうべきとこか。
普通に嫌だなぁ。でもなぁ…。
つか、ここでコイツの食らったら、
俺のこれからの立場とかそういうの
決まっちゃう奴じゃね?
他の奴も調子乗って、
こういう絡まれ方増えそう。
そんな未来が簡単に想像できてしまい、
その想像に頭が痛くなる。
正直、かったるい。だるい。
適当に抵抗した拳が
偶然当たるとかも考えたが、
それで逆切れされて
油注ぐ結果になってもめんどくさい。
てか、どっちにしても絡まれてんだから
立場とか考えるの今更な気もしてきた。
そうだよ、最初から
何もしてないのに絡まれてんだよな。
今更な心配しちまったな。
まあこうなりゃ
せめて、早く終わるのだけ祈っとくか。
「まあ顏は勘弁してやるよ」
謎の譲歩。
どうでもいいから早くしてくれ…。
「そーら、よっとっ!!」
と、奴の右ブローが腹をえぐる。
「オラッ!!!」
次いで左ブローがその後を追い、
「オラッ!!」
次いでケリを一発をご丁寧に同じとこに
叩きこんでくる。
「オッラッ!!」
「っ、ごほ…っ」
思わず噎せてしまったが、
「っと、てめぇにかまけ過ぎたら、昼休みが終わっちまうぜ。今日は初回だからこれくらいにしてやるぜ、へへっ。次用意してなかったら、腕の一本くらいなくなる覚悟でもしておけよ」
三発か。
正直もっとやられると思ったが、
不幸中の幸い、こんなもんか。
まあ、それでも痛いもんは痛いけどな。
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