6人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「エマ、最近、どこいってるの?」
えっ?
いきなりメルに詰め寄られる。
「前は必要以上に出かけたりとかしなかったのに…最近留守が多くなったよね?どこにいってるの?」
ますますメルが姉か母親のように思える…そして鋭いです。
どこって……そんな事メルに言ったらなんて言われるか……心配もかけたくないし……。
なんて思っていたら、顔に出ていたのか、持ち前の察しの良さを発揮したのか、なにかあるとふんだらしい。
「エマ……隠し事とか、ない?」
にっこり笑いながら、穏やかに聞いているけれど…こういう時のメルは1番怖くて……
思わず首をぶんぶん横に振る。
そうしたらメルは少しため息を吐いて
「……あんまり私に隠し事なんてしないでね。余計心配にもなるし……話せるようになったら、ちゃんと話してよ!」
そう言っておでこをパチンッと弾かれた。
そのあと、それ以上何も追求しないまま、これから用事があると言ってメルは帰って行った。
無理に聞こうとしない優しさが嬉しく、同時に嘘をついた心苦しさが胸をつく。
ごめんね……メル
最近メルに謝ってばかり
私の隠し事だってきっとお見通しなんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!