出会い

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たくさんの泡が上っていく中、一際大きな泡のかたまりを見つける。 急いでそこに向かえば、そこにいたのは一人の人間の青年。 顔を見れば、微かに開いた口から泡が上る。 まだ生きてる! 肩を抱えて、なんとか海面までつれていく。 海上はまだ荒れていて、波にひどく煽られる。 かろうじて息はできそうだけど、青年はぴくりとも動かない。 とにかくどこか安全な場所につれていかなきゃ! ただひたすら、触れた部分から微かに感じる温もりを、失わないために必死になった。 白い砂浜に波が打ち付け、太陽が雲の間からのぞき、光がふりそそぐ。 砂浜には青年が横たわっていた。 そしてその傍らには人魚。 良かった……まだ生きてる。 胸に耳をあて、感じる鼓動と温かさに安堵した。 ちゃんと息もしてる 口元に手をやれば、微かな風を感じた。 しっかり生きている証を感じて、ようやく安心できた。 これなら、時期に意識も戻るだろうとふんで、海に戻る。 そしてぐるりと島を一周してみる。 そこは小さな島らしく、人の気配は感じられなかった。 どうやら無人島につれてきてしまったらしい……。 でも他に近い島なんて……ないよね 辺りを見渡しても、そこには見慣れた海ばかり。 仕方ない、と諦めて、岩場の影から様子を伺ってみる。
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