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「なぁーにぃー?未来ってば、さっきから時計ばっか気にしちゃってぇ~」
そう言って由美が、その緩くカールした綺麗な髪をかき上げながら私をジロッと睨んだ。
もうかなりお酒がまわっているのか、色白の肌はほんのり赤く染まり、何と無く目も据わっている。
「そーそっ!やっと飲み会に出て来たと思ったら、もー帰ろーとしてんの!?」
すると向に座っていた江利子も、すかさず突っ込んでくる。江利子は、何時もの豪快さそのままに、ビール瓶を手酌していた。
二人とも学部の友達で、私はこの二人に半ば引きずられる形で、このサークルに参加していた。
「えっ、あっ、うん……。
でも、もう9時になるし…」
真も、心配してるだろーし……
私は、愛想笑いを浮かべながら、そっと荷物をまとめ始めた。
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