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こんな事は、こっちに来てから初めてだった。
真があんな風に怒った事なんて、今まで無かったから……
「……本当に…なんでも無いのに…」
私は手摺りに持たれる様にして、ボンヤリと窓の外を眺めていた。
……………………………
…………………………
ガチャリ
「…―ふぅ」
私が一つ小さく深呼吸をして玄関のドアを開けると、中は真っ暗でシーンと静まり返っている。
ただ玄関口には、真の靴が乱雑に脱ぎ捨てられていて……帰宅は、しているようだった。
「…ねぇ……帰ってるんでしょ?
……真?」
そう言って奥まで入ると、真は既にベットに潜り込み軽い寝息をたてていた。
「……寝ちゃたの?」
「…――――」
「もうっ!……ホントに子供なんだからッ」
そう言って私は、ベットの端に腰を降ろすと、そっと真の髪を撫でた。
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