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『マジ偶然だよね~。久しぶりすぎてわかんなかったよ。3年ぶりくらい?』
拓夜は友達の友達の元彼で、昔はよく顔を会わせていたらしい。
『ここで会ったのも何かの縁だし、今夜は奢るからガンガン飲んでってよ』
実際お金もなかったし、タダで酒が飲めるならと、拓夜たちのお店に行くことにした。
車で五分ほどで店に着き、中に入るともう一人ボーイがいた。彼の名前は悠斗。
その日、悠斗とは軽く会話を交わした程度で私は拓夜に夢中だった。
拓夜は長身ですらっとしていて、何と言ってもかっこいい。街を歩けば女の子が振り返るほどではないかと思うくらいだ。
朝まで飲み、拓夜と連絡先を交換し家まで送ってもらった。
それから毎日のように電話をし、授業中はメールをし四六時中連絡を取り合っていた。
暇なときはお店にも行った。飲み代は拓夜が全部払ってくれていた。
その年の大晦日、お店で拓夜の友達呼んで年明けやるから来いよと言われ、友達と行くことにした。
お店に行くと、拓夜とその友達と悠斗がいた。
拓夜たちは完全酔っぱらっていてまともに歩くことも儘ならない状態だった。
席に着くと悠斗が横に座った。
悠斗は人懐っこくてすぐに打ち解けた。
みんな酔っぱらって眠ってしまい、起きていたのは私と悠斗だけだった。
朝まで悠斗と好きなアーティストの話しや趣味など他愛ない話をした。
帰り際、悠斗に初めて会ったときから気になってたと言われ趣味も会うし顔も嫌いじゃないし彼氏もいないし…と付き合うことをOKした。
あの頃の自分は本当に浅はかだったと思う。
お前は馬鹿な女だと、心の底から罵ってやりたい…。
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