僕と君

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「ふぁ…」 小さく欠伸をする。 どこか気だるそうな雰囲気を漂わせながら、 テクテクと歩いていく、祐。 どこに行こうとしているのか?って? そんなのは勿論学校にですよ? 今日は平日ですから。 …… 「はぁ、めんどくさい。」 祐はそう呟きながら、階段を上っていく。 祐のクラスは5階にある。 だから… 兎に角、クラスに行くまでが大変。 「あぁ… ……蓮かぁ… 同じクラスだったんだ… 知らなかったな…うん…」 そんな事を呟きながら、祐は階段を上っていく…… そんな時だった。 「松浦くーん!!」 えっ!? と、思いつつも祐には、この声の主は分かっていた。 そう、祐の予想通り、 声の主は蓮である。 祐は嬉しそうに、後を振り返った。 「…。 あぁ…結綺かぁ。」 冷静を装ってみる。 しかし、心の中では…… あえて言うのはやめておこう。 「なぁに、クールぶっての? 松浦君って…結構天然でしょ?」 「はっ? そんな事ねぇよ」 「だって、この前、 誰かのバッグに足を引っ掛けて転びそうになっていたでしょ? 私みてたんだっ」 御名答。 祐はこの間、祐の友達のバッグに足を引っ掛けて、こけていたのだ。 「っ!? そ、そんな事してないから! 」 実際、心の中では、 俺の事をよく見てるのかな? なんて思っていたり。 でも、そんな事は毛頭言えるはずもなく、ちょっと照れていただけだった。
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