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初めて会った孝幸さんはまず住む家から驚かされた。
俺たちが昨日まで住んでいたのは2DKの築20年のアパート。それに比べ彼が招いた家は一軒家で、しかも高級住宅地として知られる××市の■町。そこだけでも開いた口が塞がらないというのに、その家の広さだ。
3階建ての建物は1階がリビング、客間があり、どれも20畳以上の広さを誇っている。無駄に一階にトイレは二つ。
2階は4部屋のうち、2つが寝室、残り2つは書斎、ドレッサールーム。またトイレと洗面台がある。
3階はゲストルーム2部屋と、広いベランダにサンルームがある。そしてゲスト用の風呂にトイレ。因みに俺たちが使う風呂は1階にある。
親子3人でこの広さは何なんだ!?。掃除が大変すぎる。
次に驚かされたのが彼の経歴。
親は石油関連の仕事を経営しており、孝幸さん本人も大学時代に立ち上げたIT企業の社長である。
今は「ウィズ」というコミュニティサイトを運営して結構な儲けを出しているらしい。
完璧なお金持ちだ。
「初めまして、君が友喜君だね」
「初めまして」
当の孝幸さんとやらの第一印象は存外気さくで、優しげな印象を受けた。
話をしてみてもその印象は変わる事はなく、いきなり大きな息子のいる年の離れた母さんと結婚する奴はどんなんだっ?と思っていた俺も、彼なら母さんを任せられる気がしていた。
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