0.遺品

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それは約十年前の、幼き少年少女のそれはそれは小さな会話から始まる。 ―ねぇ、コーラル。 ―なに?____くん…? ―きみは、ぼくのことを…いらない、なんていわない…よね? ―わかんないよ。わたしにとってはどうでもいいから。 ―でも、ほかのひととはちがって、ちかよってもおこんないじゃん。 ―…きのせいでしょ。わたしにとって、あんたもじゃまなんだけど? ―そんなこといわないでよ、…ぼくは「やみお」なんだから ―ざんねんながらわたしは「こうめ」なのよ。あいいれないわ。 ―それでも、ぼくは… ――――――――――――――。
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