1.5 Night 「Sentimental base」

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エリック達の眼下、ファイヤーの周りでもいつの間にか昔話が始まっていた。 「俺らが初めて話を聞いたのは船の中だったな、サイモン?」 「あぁ、コロンビアで荒稼ぎした後だったぜ。死体が歩き出すなんて聞いた時ゃ、つまんねぇジョークだって笑ってたけどな」 二人の昔話に興味を示しているのは、仲間に入りたての若い衆達だ。 昔から居るメンバーは、一度ならず二度以上同じ話を聞いている。 「帰国してみりゃひでぇもんだ。船ん中でジョークだって笑ってた事が、全部本当だったんだからな」 サイモンは上物のウイスキーをラッパ飲みしながら語っている。 「俺らー傭兵だったからな。苦境には慣れてたが、ゾンビには本当に苦しめられた。それこそ、生きるためにはなんでもやったさ」 デイヴの舌もよく回る。二人ともかなり酒が入っているため、いつもより饒舌だ。
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