女を恨む男

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「ひ、ヒコ、どうしたんやそれ!?」 漫画の単行本一冊の厚さほど大量にプリントアウトされた紙。 「あっ、これ? これはね、 あらゆる女必勝法が書いてあるサイトのページをプリントアウトしてまとめたもの!」 どんと胸を張るヒコロウに対しジュンジは眉を歪ませる。 「え・・・・ホンマにやるんかヒコ。」 「昨日そう言ったじゃないか。 浮気は確かにしたことないけど、まずは女という生き物を知っておこうと思ってさ!」 ジュンジは不安になったというべきなのか呆れたというべきなのかよく分からない複雑な気持ちになっていた。 何にせよろくなことが起こらないような気がした。 「いや、ヒコ・・・・ホンマにやるんか?」 「だから昨日から言ってるって何度も言わせないでよ。 とにかく僕はもう女を信じないし、今までお人好しバカだった自分にさよならするんだ! グッバイ昔の僕!」 ヒコロウは両手を広げて通学路を颯爽と歩いた。 《大丈夫やろか。 三日坊主で終われば一番ええんやけど。》 ジュンジはため息をつき、心の中でそうつぶやいた。
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