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クラスメートは皆箸を置き、窓や引き戸から廊下の方へ顔を出した。
左隣の教室の前で騒ぎの中心と思われる人物が二人向かい合わせで立っていた。
それはわめき声の主と思われる隣のクラスの女子と
背の高いイケメン茶髪男子であった。
「お前だけが好きとか言ったくせに!
他の女と付き合ってたなんて!」
ヒコロウはピクリと女のセリフに反応した。
《これってもしかしたら・・・・》
ヒコロウの予感とはよそにジュンジはすぐ隣で同じく二人を覗いている男子に話しかけていた。
「いったい何が起こったんや?」
そう聞くとその男子は騒ぎにワクワクしているような顔をしながら答えた。
「オレも飯食ってたからよく見てないけど、ありゃたぶん噂に聞く“浮気王子”だな。」
「“浮気王子”?」
「何それ何それ!」
“浮気”というフレーズにヒコロウは興味津々。
「部活の先輩から聞いた話なんだけどよ、あの茶髪の人が“浮気王子”たしか・・・キョウスケ先輩だったかな。
なんでも最大12人同時に付き合ったことがあるとか、
とにかく年中いろんな女と付き合いまくりで何股でも平気でかけまくるらしい。
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