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浮気すると分かってても告る女もいるそうだから、ただのモテ男ってわけでもないみたいだな。」
確かにその男・キョウスケは外見からも分かるようにアイドル事務所にスカウトされてもおかしくないルックスを持っていた。
きらめく黒目、二重瞼に女のように長いまつ毛、鼻もハーフかと思うぐらい高く鼻筋もしっかりと通っている。
まさに“美少年”つまり“王子”といったところだった。
「なーんだ。
てっきりオレが浮気するって承知の前提で告ってくるタイプの女だと思ってた。」
キョウスケは見下すような視線を涙をポロポロ流している女に送り、軽い口調で言った。
「校内では結構有名な話でも、入学してから間もなくて夏を迎えたばかりのオレたち一年生にしてみたら知らなくてもしゃあないわなぁ。」
ジュンジが泣きじゃくる女子に同情するように言った。
「てか言いたいこと、そんだけ?」
キョウスケは冷めた目をしたままだ。
「もうやだ!
別れる!」
フられた女子は顔を押さえて廊下の向こう側へ走り去ってしまった。
「マナっち!」
それを追うように2、3人の友達と思われる女子も駆けていった。
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