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「せっかくランチわざわざ誘いに来たのに・・・まぁ、いいか。」
キョウスケは女子たちが走り去った廊下の逆方向へと歩いていった。
野次馬の生徒たちはザワザワしつつも席へと戻り、昼食を続けた。
「それにしても変な先輩がおるもんやなぁ。
付き合う女もどうかしとうけど。」
ジュンジは腕組みをしながら、弁当を広げたヒコロウの机へと戻った。
「昨日は下品な女見たけど、やっぱり女ってのは泣かせたらあかんもんやなぁ。
せやから浮気なんて馬鹿な真似はやめた方がええって。
なぁ、ヒコ。」
ジュンジは後ろを振り返った。
「・・・・あれ?」
普通ならばヒコロウは自分と共に席へ戻ってランチを続けているはずが、席にもいないし、教室中を見渡してもどこにもいない。
「・・・・・まさか。」
屋上。
そこでは青く澄んだ空とその下の学校のグラウンドやそれを取り巻く街並みが一望できる。
そしてその屋上の周りに立てられているフェンスにもたれかかり、購買部で買った焼きそばパンを頬張りながら携帯をいじる青年が一人いた。
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