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屋上に出るドアは閉まっていて、放送で流れる音楽や昼食での生徒の雑談はかすかに聞こえるがほとんどの音をシャットアウト。
グラウンドで騒いでる生徒もいないし、たまに聞こえてくるのは車のクラクションや鳥の鳴き声ぐらいだ。
そんな平穏が保たれている屋上に足音が聞こえてくる。
そしてその足音はどんどん大きくなり、最後に扉がバンッと勢い良く開いた。
その時、青年“一人の平穏”が崩れた。
「はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・・、いた。」
息が乱れているその来訪者はヒコロウだ。
「一年か?
・・・・なんか用か?」
青年はヒコロウの姿をチラッと見てすぐに携帯の画面に目を移した。
「・・・あなたが、キョウスケ先輩・・・ですか?」
ヒコロウは恐る恐る聞いた。
「そうだけど、何?」
その青年・キョウスケはまったく視線をヒコロウに向けずに焼きそばパンの最後の一口を口の中へと入れた。
「・・あの・・・・・その・・・・・・
ぼ、僕に・・・
浮気を教えてください!!」
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