浮気王子

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本当にこの小さな体から放たれているのかと問わずをえないほどの大声でヒコロウは懇願した。 そして深い礼をして頭を下げたままの状態で動かずにいた。 キョウスケは呆気に取られたが、一瞬で笑いの表情へと変わった。 「アッハッハッハッハッハッ!!! 浮気を教えてくださいだぁ? お前それ本気で言ってんのか?」 キョウスケは甲高い声で笑ったが、ヒコロウは頭を上げて真剣な眼差しでキョウスケを見つめた。 「はい、もちろん。 さっきの・・・見させていただきました。」 「ん? ・・・あぁ“アレ”か。」 「あの冷たい目で女を見下して裏切った感じがすごかったです!」 ヒコロウは感心の目でキョウスケを見た。 「えっと・・・・それって褒めてんのか? ・・・まぁいっか。 とりあえず、 お断りだ。」 キョウスケはきっぱりと拒否をした。 「確かにオレは“浮気王子”だとか言われてるかもしれねぇが、 浮気なんて教わるもんじゃねぇだろ。」 確かに断るには十分な理由であった。
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