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「でも・・・、自分から頼み込んだのも何ですけど、どうして教えてくれる気になったんですか?」
そう聞くとキョウスケはヒコロウに背を向けた。
そしてフッと鼻で笑い、振り返った。
「自己満足・・・ってとこ、かもな。」
その笑顔はどこか寂しげだったが、ヒコロウはそれにはまったく気付かなかった。
ヒコロウはキョウスケ先輩と3階で別れ、2階の一年の教室へと階段を下りた。
その途中にジュンジとばったり会った。
「ヒコ、どこ行ってたんや?」
心配そうな面持ちでジュンジは聞いた。
「キョウスケ先輩に会いに行ってた。
キョウスケ先輩が浮気教えてくれるって!」
「!!」
上機嫌なヒコロウに対してジュンジは顔を急に顔を青ざめさせた。
「ほ、ほんまにやるんか・・・!」
「当たり前だよ。」
「なんで・・・・なんでそうまでして・・・・・。
なぁ・・・・やめとこうや。」
ジュンジはヒコロウの両肩を掴んだ。
「ヒコ、お前が傷ついてきたんは、よう分かる。
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