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「どうしたんやヒコ?
ムスッとした顔して。」
ヒコロウの視界が一人の青年の顔に遮られた。
「顔が近いんだよジュンジ。」
ヒコロウの前にひょっこりと現れたのは加藤ジュンジ。
中学の時兵庫から転校し、その時からヒコロウとは親友の関係である。
ちなみにヒコとはヒコロウのあだ名だ。
「また女にフラれたんか?」
ジュンジはいつもの細目をさらに目を細くして苦笑いをして聞いた。
するとヒコロウは肩をしきりに震わせておもいっきり席を立った。
「だって女なんてみんなイケメンが好きなんだろ!!」
がやがやわいわいとしていた教室内が一気に静まった。
皆がヒコロウの視線を集中させる。
ジュンジは慌ててフォローを始めた。
「あ、あ、あぁそうそうそう!
大将!
クラスの女子30人やからイケ麺30丁お願いしますぅ・・・ってなんでやねん!」
クラスは先程とは違う静寂に満ちた。
約十秒固まるとクラスメートたちはまた楽しくおしゃべりを再開した。
ジュンジはヒコロウのひきつった笑みを見てヒコロウの胸に顔を押し付けた。
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