女を恨む男

5/14
前へ
/29ページ
次へ
「“豚ちゃん銀行”。 今回でついに倒産。」 「今の所持金は?」 ヒコロウはお尻のポケットから財布を取り出し、ジャラジャラと小銭を確認した。 「436円。」 「・・・絶望的やなぁ。」 「もーう! 何がいけないのかなぁ僕って。」 ヒコロウは再び席に座って頭を机に突っ伏した。 「うーん、あかんというか、その、 なめられやすいんじゃぁ・・・・・。」 「な!!」 ヒコは再び席を立った。 「なんでだよ!」 「ホンマに心当たりないん?」 「・・・・・・う。」 ジュンジはため息をついた。 「童顔で、」 ガン! 「背低いし、」 ガンガン! 「いかにも子供っぽいやん。」 ガンガンガン! ヒコロウの頭上に言葉の岩がのしかかる。 「少し気にしてるのに・・・・・・ いや、でも理由がそれだけなんて!」 ヒコロウは大きく首を横に振った。 「お人よし。 それが一番女子になめられるとこかな。」 もっともそれらしい根拠を言われ、ヒコロウは言葉を失った。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加