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「そもそもお人よしすぎるからその貢ぎグセも直らんねん。」
ヒコロウはプクッとふくれた。
「・・・・だって好きな女の子にはとことん尽くしたいじゃないか。」
ジュンジはまた大きくため息をついた。
「分からんでもないけど、そーやって何度も貢がされてポイされて・・・・
少しは懲りんとアカンで。」
「うぅ。」
全ての授業が終わり、ヒコロウとジュンジは一緒に下校した。
今回の件を少し挟みつつ、だるい授業、流行りの音楽、夏休みの予定などたいしたことのない小話を一つずつ連続させながらホームへ向かっていると、ちょうどよく電車がやってきた。
二人は急ぎ気味で階段を降り、電車に乗った。
電車内はそこそこ空いていたので、二人は長い座席に腰を下ろした。
話がいったん途絶えると前で座って喋っている二人組の女子高生が目に止まった。
どちらも清楚で整った顔をしていたが、話の内容はギャップを感じさせる驚くべきものだった。
「そーいえば今日のマナのバッグすっごく可愛くない?」
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