two-turn

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布団の上に倒れる。 頭の回路はショート寸前。 先ほどから罪悪感ばかりが 駆け巡る。 「どうなってるんだよ」 この一言に尽きる。 有空さんは言った。 近づき過ぎたと。 和葉は言った。 馬鹿なことだと。 まだ推測の域だが、 犯人の動機はこの俺。 恐らく安達紗弥は、 俺と話をしたために殺害された。 犯人はそのことが 許せなかったのだろう。 分からない。 犯人は今だ不明。 さっきのニュースでも、 通り魔の 犯行として調査が続いてる。 俺に出来ることはなんだ? そんなものはない。 それよりも、 「考え過ぎか?」 可能性は十分ある。 偶々、 安達紗弥だっただけ。 その3日前、偶然 俺と話しただけ。 こちらの方が信憑性がある。 しかし、あの時の 二人の顔がどうも気になる。 自分が 狙われているかもしれないのに、 あの笑みは、 あの余裕は何処から来るのか? 「……寝よう」 今日はいろいろ有り過ぎた。 安達紗弥の死。 桐原有空の言葉。 二ノ宮和葉の話。 昨日までの事がウソのようだ。 意識を消し、目を瞑る。 痛みは無くなり、 冷たいモノは感じなくなった。 ただ、罪悪感だけは残っていた。
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