773人が本棚に入れています
本棚に追加
朝、目が覚めたとき、
自分は昨日とは違う場所に
居るのではないか。
そんな
くだらない事を考えながら、
二ノ宮秋人は覚醒する。
時刻は6時50分。
体を布団から起こし、
学校に行く準備を始める。
制服に着替え終わり、
階段を降りる。
「おはよう、兄さん」
妹の和葉は普段と
変わらぬ笑顔を見せながら、
挨拶をしてきた。
「おはよ」
俺もいつもの様に、それに返す。
家には両親は居ないため、
俺は和葉と二人で暮している。
朝晩のご飯の
準備は当番制になっていて、
今朝は和葉の担当だ。
「出来てるから早く食べよ」
居間からは
食欲をそそる匂いがしている。
「うん」
軽い返事をして、
和葉の後をついて歩く。
家はそれほど大きい事はない。
だが、
二人で生活するには十分過ぎて
逆に余ってたりもする。
ふと、和葉の制服姿を見ていたら
馴染んできたように思えた。
俺と和葉は
今では同じ学校に通っている。
しかし、
半年前まで和葉は
両親と一緒に海外にいた。
それから、
なぜか一人で日本に戻ってきた。
理由を聞くと、海外に飽きた
なんて言った。
まぁそんなもんか、
と自分を強引に納得させつつ、
いろんな手続きに
走り回ったのはいい思い出だ。
窓から空が見えた。
どうやら
今日は暑くなりそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!