第一章

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 何とも早い展開で突き進む現実に思考が追い付かない少女が一人。気付けば大草原にただただポツンと取り残されたように佇んでいた。 「何……これ」  摩訶不思議、天変地異。  辺りを見回せば何もなく、幻覚に惑わされているかの如く、深い不快。  その世界は赤く紅く、本来ならば健康的で爽やかな緑はそんな世界の色に染められて風に揺れる。結菜が一歩踏み出すとカサカサと膝に葉の先が当たってむず痒かった。 「どうなってんのよ、コレ」  単身夕暮れ時の大草原に置き去り、時間的差違は全く無く、彼女は一瞬の一もなくこの世界に飛ばされた。動揺と不安と少しの好奇心から彼女の足は又勝手に歩を進め始める。  そこに城島柚菜の意思はなかった。
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