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死神派遣協会
「グリルクン。コチラの方は?」
「えっとネェ…。」
「ボクは…アゥグッ?!」「この子は新入りよ!!」
正直、これは何の騒ぎだというと。
数時間前…
「…で?ドコに連れてってくれんの?」
「とりあえず、死神の世界に行ってアタシの家に行くわ。」
たやすい会話をしていた。ふと、グリルが小声で「アイツに見つからないようにしなきゃね。」と呟いていた。アイツとは誰だろうか?
「とりあえず、アタシにつかまってなさい。」
「どうやって?お姫さま抱っこ?オンブ?」
「どっちでもイイワ。」「ジャア、お姫さま抱っこ。」 「……!?」
グリルの顔が真っ赤に染まった。
(カワイイなぁ。)
「し…しょうがないわね。」「ほぇ?」
グイッ
「…っ?!」「これでいいでしょ。」
グリルは悪戯っぽく笑っていた。
マリアは涙目でグリルよりも更に赤くなっていた。「これが…死神の世界?」
「そうよ。ほらっ!急がないと見つかっちゃうわ!」
「誰に見つかっちゃうんですか?」
「あのうるさくて真面目すぎる奴よ。」「ほぅ。それは私の事ですか?グリル・クレフクン」
「そうよ。ちょうどこういう…っ?!」
なんとグリルの後ろに知らない男の人が立っていた。
「ほぉ。新入りですか。」
「そ、そうよ!」「にしては害獣の臭いが少しするのでは?」
「!!!」図星だった。こうなった以上正直に話すしかないと2人は思った。なぜなら、命の危険があると察知したからだ。数分後……
「つまり、このマリアという人は、悪魔と死神のハーフで、生まれた時の記憶がなく、知らない間に人間のドウグにされてイヤになって逃げ、そしてこのバカに拾われた…と?」
「…はい。」「ちょっと!アタシはバカじゃないわよ!」
何とかこのカタブツ野郎-ウェル-をグリルと協力して説得することができたのだ。
「ネェ、ウェル。この子半分死神の血が流れているから入れてあげてもいいデショ?」
「マァ、害獣の血も流れていますがイイデショウ。どうせ人手不足ですしネ。」何がなんだか判らない。誰か説明して。
「マリアはネェ。死神派遣協会に入れたのよ❤」
「入ってイイの?このボクが?」「そうよ❤」
グリルは会った時と同じ笑顔で頷いた。ただし、ウェルは相変わらずの仏頂面だ。ムカつく。
「アナタの住居は、グリル・クレフクンと同室です。」
「エェ?!何でデスカ?」
「今きづいたら空室がありませんデシタ。」
……人手不足じゃなかったのかよ。
「アタシと同じ部屋ですって!良かったじゃナイ!」
「因みにグリル・クレフクン。変なコトをしないで下さいネ。」
「ンナの判ってるわよ!というかヤる訳ないじゃない!!」
本当か?と2人(グリル以外)は思った。
そして本人は頬をふくらましスネていた。
何はともあれ、私の人生は始まってしまったのであった。
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