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「ともちゃんっっ!」
私は興奮して思わず
隣に座る短大仲間のともちゃんを
思いっきり揺さぶった
「ともちゃんっ
あれ見てあれ!!」
私は後ろの車掌室を指差す
彼は横を向いているが
整った顔立ちはその横顔ダケでも
十分にそのイケメンパワーを
発揮していた
「あ~…
ともは濃い顔すかん」
友人のともちゃんが
眉を寄せて呟く
「そぅいぅ問題でなく!
話し掛けに行ったら変かねぇ??」
私は怪訝そうな顔のともちゃんに
思わず詰め寄る
「えぇ!?
恥ずかしいけんやめてょ~」
「でも……」
そんな事を2人で
言い合っていたら
彼と私達の車両は違うし
声は聞こえないにしても
何かを彼に伝えるには
十分な距離だったらしく
目が合う
目が合う
チラチラと
……これは行くっきゃなぃだろ
私の中で迷いは消えた
しかし…
確かに周りには
数人と言えども他の乗客も
恥ずかしいと言う
友人の意見は最もだ
しかも行ったとして…
話も聞いてくれず
ドアさえ開けてくれなかったらどぅする??
黙って戻ってくる?
…とんだ赤っ恥だ
でも電車が駅に着くまでは
あと10分弱……
どぅしょぅ………
次また会える保証なんて全くない
きっとその時の私は
挙動不審だったに違いない
するとその時
アナウンスが
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