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『――殿、殿に士官したいと申す者が参っております』
『・・・通せ』
ん、この感じ・・・また例の"誰か"の夢か・・・。
ただ、昨日のとは場所が違う。
昨日のが長屋の軒先だったのが、今回は時代劇などで殿様が座っているような大広間。
しかも上座の目線。
ふむ、この"誰か"は少なくとも高い地位にいる人間っぽいな・・・・。
メモメモ・・・・出来んけど。
『失礼つかまつる』
と、大広間の後、襖の向こうから声がした。
『構わぬ、入れ』
相変わらずの渋い声で"誰か"が言う。
それに応じて襖が開き、誰かが入ってくる。
『・・・・』
『・・・・まぁ座るが良い』
『・・・失礼いたす』
入って来たのは見た目15~6歳ほどの少年・・・だよな?
顔は美少年といって差し支えないほど整っていて、髪が長い。
男にしては少し線が細く、先程の声もやはり少し高い・・・気がする。
服装は、時代劇に見るような侍装束っぽい感じで、その細い身体には不釣り合いな印象。
なんか服に着られてる感じ。
『・・・・で』
目の前に座った少年に対して、"誰か"が口を開く。
『――女子が俺に何の用だ?』
『―――!』
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