間章2

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『――殿、殿に士官したいと申す者が参っております』 『・・・通せ』 ん、この感じ・・・また例の"誰か"の夢か・・・。 ただ、昨日のとは場所が違う。 昨日のが長屋の軒先だったのが、今回は時代劇などで殿様が座っているような大広間。 しかも上座の目線。 ふむ、この"誰か"は少なくとも高い地位にいる人間っぽいな・・・・。 メモメモ・・・・出来んけど。 『失礼つかまつる』 と、大広間の後、襖の向こうから声がした。 『構わぬ、入れ』 相変わらずの渋い声で"誰か"が言う。 それに応じて襖が開き、誰かが入ってくる。 『・・・・』 『・・・・まぁ座るが良い』 『・・・失礼いたす』 入って来たのは見た目15~6歳ほどの少年・・・だよな? 顔は美少年といって差し支えないほど整っていて、髪が長い。 男にしては少し線が細く、先程の声もやはり少し高い・・・気がする。 服装は、時代劇に見るような侍装束っぽい感じで、その細い身体には不釣り合いな印象。 なんか服に着られてる感じ。 『・・・・で』 目の前に座った少年に対して、"誰か"が口を開く。 『――女子が俺に何の用だ?』 『―――!』
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