間章2

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女・・・・?えっ女の子なのコイツ? いや・・・・確かにそんな感じはするけど。 『・・・女子が、俺に士官すると言って何用かと、訊いておる』 "誰か"の声に凄みが混じったのがわかる。 なまじ声が渋い分かなり怖えぇ・・・。 『・・・無礼なるは承知の上にございまする・・・。しかし・・・』 "誰か"の凄みある態度にも尻込みせず、話し始める女の子。 『しかし・・・?』 『・・・わた・・・拙者、以前、殿にお会いしたことがございまする・・・』 『ほう・・・・?』 以前・・・・? ・・・んー・・・確かにどっかで見たような・・・って。 これは夢なんだからオレに見覚えがあってもしょうがないんだった。 『・・・どこでだ?』 どうやら"誰か"にも心当たりがあるようで、言葉に疑問というより確認のニュアンスが見て取れた。 『・・・以前、殿が"大うつけ"と呼ばれておられた頃の話にございまする』 『・・・うむ』 『城下の長屋界隈を殿が散歩しておられた所に、恐れ多くも話しかけ・・・その際の威風堂々とした物腰に惚れ込み・・・・それ以後、殿に士官するため、文武に励んできた次第でございまする』
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