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「うぅ……。 なら、約束して…」
何を?と思わず呟いてしまったが、幸い二人に俺の声は聞こえないらしい。
「何を……?」
「次にまた、会うことができたら……」
そういい始めた少女はもう泣きやんでいた。
「うん」
少年は少女の顔を見て目を見ていた。
「私と……して?」
「え?」
意外な言葉にびっくりして聞き取れなかったのか少年は聞き返す。そんな少年を見て少女はクスッと笑った。
「もう一度言うね。 また会うことができたら私と……して」
「……うん」
少年は少女との約束を了承した。俺には約束の部分聞こえなかったが、少なくとも少年は少女と何かを約束した。
その後、少年と少女は手を繋いで歩きだした。気になるので俺もその後を付いて行った。
暫く歩いて着いた場所は、展望台のようなところだった。展望台と言っても屋根はなく、高いところにある街を見下ろせる公園のような場所。
キョロキョロと辺りを見回すと、ベンチがあったり、噴水があったり、噴水の後ろにまだ奥に行ける道もある。
見まわしてる内に二人が視界から姿を消していた。
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