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ジリリリリリリリリリリ!
目覚まし時計の音によって強制的に現実へと引き戻される感覚。バタンと誰かが部屋に入ってきた音が聞こえた。やかましい目覚ましの音が止まり俺を呼ぶ声がする。
「起きてー」
ゆさゆさ
小さい手が俺を揺すっている。目覚まし時計は俺を揺すっている奴が止めたよう
だ。
「うぅん……」
寝呆け半分で目を開くとすぐ近くに小百合がいた。
こいつが俺を起こしに来たのか…。毎度毎度ご苦労なやっちゃな。
軽くため息をつきながら起き上る。
「やっと起きたー。 おはよーだよ」
「やっと起きたってなぁ…。まだ6時前だぞ?」
「んー?」
全く悪気のないような笑顔。
「だって、早く起きた方がゆっくり朝ごはん食べられるし、ゆっくり学校に行っても間に合うから」
「確かに…そうだな……」
「ね?だから起きて一緒に朝ごはん食べよーよ」
小百合の顔が近づいてくる。
「…」
「ね?」
小百合の顔はどんどん近付いてくる。小百合の目をよく見るとなんかすごく怖くなってくるのはなぜだろう…。顔は笑っていても目が笑っていないしてならない。
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