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「わ、分かった…」
俺は得体のしれない恐怖に打ち勝つ事はできずに頷く。
「ん。よろしい♪」
小百合の笑顔には敵わないと思った朝であった。
二人で朝ごはんを食べながらテレビを観る。丁度天気予報の時間だったようだ。テレビの画面にはお天気お姉さんと雪城島の今日の天気予報が映し出されていた。
「今日は午後から降水確率50%だって」
「大丈夫じゃね?」
「そうかなぁ。50%って降っても降らなくてもおかしくないよね…」
少し不安そうな表情で応える。
「大丈夫大丈夫」
「むー。いいもん。私は傘持ってくもん」
少し頬を膨らませながらすねる小百合は実に子供っぽかった。
「じゃあ賭けだ。午後になって雨が降らなかったら、小百合が俺に昼メシを奢る。午後になって雨が降ったら、俺が小百合に昼メシを奢る」
「いいよー。絶対私が勝つもん」
やけに自信満々に答えた小百合の声は、事の顛末を知っているようだった。
「自信満々だな。50%だと外れたっておかしくないのに」
「そんなことないよ。私わかるもん」
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