プロローグ

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「兄さん…?」 「…えっ!? はいっ!? 何でしょうか小百合さん!?」 「置いてくよ?」  小百合の目はやっぱり笑っていなかった。  家を出て小百合が鍵を閉めてると、後ろから声をかけられた。 「おはよー」 「おう。 おはよう。雫」  そう言いながら。雫の方へ近づいていく。 「今日も早いねー。 朝練でるわけでもないのに」 「しょうがないだろ…」  今まで家の鍵を閉めていたやつに視線を向ける。すると雫は苦笑して小百合を見ながら呆れたようなポーズをとる。 「あー…。 しょうがないよ。 だって小百合ちゃんはお兄ちゃん一筋って感じだもん」  うんうんと一人納得したように頷きながら言われてもな…。 「雫さん、おはようございます」  鍵を閉め終わった小百合がこっちに近づいてくる。 「おはよー小百合ちゃん。 今日も早いね」 「今更何言ってるんですかー。 いつものことじゃないですか」 「いやー、そうだけど…ね?」  雫が俺の顔を見る。それにつられて、小百合もこっちを見る。 「え? 何?」  雫はじっと俺を見つめている。小百合はそんな雫を不思議そうに眺めていた。
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