2人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
暫くして雫が「ううん。 なんでもない」と言いながら首を振って、少し近づいて来る。そう言った雫の顔は不安そうで
「大丈夫か?」
思わずそう声をかけてしまうくらい。
「うん。 大丈夫だから。 学校行こっ?」
更に雫の顔が近づいてくる。
「あ、あぁ」
思わず言葉が出なかった。流石に俺も男なので雫の顔が近いと少し恥ずかしい。
「心配してくれてありがと。 でも、本当に大丈夫だから」
少し困惑してる俺の耳元で囁いた。俺はそんな言葉じゃ安心はできなかったけど、本人がああ言ったので言い返さなかった。
「あの…」
鍵をいつの間にか閉め終わっていた小百合はこっちをじっと見ていた、というよりかは雫を睨んでいた。
「な、なに? 小百合ちゃん?」
小百合の眼光にビビりながらも大人の体裁とやらを守ろうとする雫がいた。
「なんで兄さんとくっついちゃってるんですか?」
小百合言葉に雫はビクッと体を震わせた。
「なんでそんなことを聞くかなぁ…」
雫は焦ったような顔を隠しながら小百合の眼光に耐えていた。
ってか雫よ、怖いなら意地を張らなくてもいいと思うんだ。と口に出して言ってしまうと後で何をされるかわからないので言わないでおく。
最初のコメントを投稿しよう!