3.想い

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(武器と経典魔術だけで、何とかするしかないか……) 覚悟を決める桜田は、 「ん~……そこかしら?」 女性の声の直後、ゴミ山を貫いて、頬のすぐ横に突き出た刃に、 「うわッ!」 思わず悲鳴を上げ、慌てて飛び退いた。 一瞬の後、彼女が身を潜めていたゴミの山が、ポップコーンが弾けるように、斬り刻まれながら宙を踊る。 回避するのがあと一秒遅かったら、彼女も細切れにされていただろう。 「うふふふふ……逃がさないわよ?」 蹴散らされたゴミの向こうから現れたのは、年齢を計りにくい女性だ。 身を包むのは、チャイナドレスのように足を露出した衣服。ウェーブのかかった髪は、背中まで伸びて妖しく揺れる。 顔にも妖しい笑みを浮かべる女は、 「ホントは男の子の相手がしたかったけど……あなた可愛いし、楽しめそうだから良いわ」 右手に握る、幅の広い両刃剣を振りかざした。 すると、内部に仕込まれたワイヤーが作動し、刀身を鞭のごとく伸長させる。 刀剣の一種──関節剣だ。 荊(いばら)のような意匠が施されたそれは、先程刻まれたゴミを、さらに微塵切りにしていく。
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