3.想い

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とりあえず、いつ攻撃が来ても避けられるよう、足にだけは力を入れつつ、 (……本当にマズイな……) 桜田は眉をひそめ、懸命に舌打ちを堪える。 (武器中心じゃ、ちょっと……キツいわね) 彼女の武器である大鎌は、その形状と大きさ故に、密着戦には不向きだ。 故に桜田は、ある程度の距離を置きながら戦い、相手の血を十分に集めたら、一気に本気を出す展開を狙っていたのだが、 (何か……術師タイプと戦ってるみたい……) 女の武器──関節剣は、桜田の手の届かない場所から攻めてくる。 彼女が近づいたとしても、回帰させた剣で応戦するか、かわすかした後、再び逃げてしまう。 早い話、桜田が攻撃するチャンスが無いのだ。 「……」 ようやく腕の痺れが取れた桜田は、しゃがみ込んで大鎌の柄を握り、刃を腕の傷に押し付ける。 すると、流れていた血は、消えるように鎌に吸われた。 「変わった武器ね」 一部始終を見ていた女は、妖しく微笑みながら言う。 「そうやって吸わせた血は、何に使うのかしら?」 「……」 答えず、チラリと武器に目を落とす桜田。
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