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そんなこんなで家中の雑務をこなし、落ち着いてきたのが今日この頃。
室内に戻り日差しが斜めに差し込んだ生活空間を改めて眺める。
残り少ない春休みをどう過ごそうか。
碓氷はどうしているのだろう。
篠崎さんとは上手くやっているかな。
碓氷も今春、新たな住処で生活を始める。
中学の時に両親を亡くした彼はこれまで祖母の元で暮らしていたのだが、高校に入るにあたって一人暮らしをする決意をした。
それを聞いた篠崎さんは、反対したが碓氷の意思が固いことを知って条件付きでついに折れた。
その条件というのが――一人暮らしをするなら篠崎夫婦が住むアパートでなければならない。
結論から言うと、篠崎夫婦が住んでいるのは二階でありその真下の部屋が碓氷の新居となった。
揉めてなければいいけど……と思いつつ、あの二人がちょっとした事ですぐ喧嘩するのは変わらないんだろうなあと想像して上條は頬を緩ませた。
次いでほんの数日前に会った友人の心配をしている自分にもつい苦笑してしまった。
今日の予定について思考を切り替える。
取り敢えず昼食を済ませることにしよう。午後は夕飯の買い出しに行って、それから………。
買っておいたコンビニ弁当の包みを開けながら思案を続ける。
そういえば。
部屋の事はほぼ完了だけど、まだやる事がある。
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