伝説の超鈍感人襲来

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カカロットそっくりの女、あずさの写真をみて興奮し超サイヤ人になった俺は再び制御装置を付けられた。どこで迷ってるかもわからない人間を迎えに行くなんてそんな面倒なこと不本意だが制御装置のおかげでパラガスの命令を聞かざるをえなかった。   「んー、ここをたしか右だったような、左だったような…。どうして私いつまでたっても道を覚えられないのでしょう。困りましたー」 交差点に行き着いた俺は独り言にしては少し大きな女の声を聞いた。声の方向に目を向けるとその女は事務所で見たあずさという女そのものだったが俺は納得がいかず声をかけるのをためらった。カカロットそっくりだと思って期待したあずさからは戦闘能力のせの字すら感じられないとは。 「たしかこっちだったようなー…」 俺がためらっている間に交差点の信号は青になっていた。あずさが進もうとしている方向は事務所とは逆方向だったので俺はあずさの腕を引き止めた。 「おい、一人で事務所に行けるとでも思っているのかぁ…?」 いきなり腕を引いたのであずさは驚いた様子でキャっと小さく声をあげた。 「お前が三浦あずさだな?迎えに来た」 「あら、それはそれは、ご親切に。…ところであなたはどなた?」 「ブロリー。お前の担当プロデューサーです…」 「担当プロデューサー…、ということはつまりー……」 あずさは状況を判断しているのか暫く宙を見上げた。 「わかりましたー。私を担当してくださるプロデューサーさん、ですね」 「それは、ボケているつもりかぁ?本当に理解しているんだろうなぁ……?」 相当鈍い奴だと呆れて突っ込む気にもなれなかった。先が心配になる。 「はいー、多分…。私を担当してくださるプロデューサーが決まったということは……」 「え!?わ、私、アイドルとしてデビューできるんですか!?」 「そんなに考えなくとも普通プロデューサーが決まったらデビューしかないだろ……」 俺の念押しでやっと理解ができた様子のあずさは驚きと共にうれしそうな表情を浮かべていた。会って早々鈍いという相手の欠点を見つけてしまい若干嫌気がさすものの、彼女は喜んでいるようだったのでよかった。 「まず最初はレッスンだ。事務所に帰るぞカカロット…」 「かかろっと?……えぇと、それはー…どなたのことでしょう?」
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