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「やほお♪どっか行っちゃったと思ったらこんなトコにいたんだあ。」
「……」
あまり使われていない第二音楽室。そこに転校生たちはいた。
探すのにめちゃ時間かかったよ―……。
転校生は鋭い目付きであたしを睨み付けた。……まじかっこいい。
「てめぇ……こんなとこまで来やがったのかよ?とんだ暇人だな」
転校生は親指の爪をギリギリ噛んだ。
相当苛立っているのが伝わってくる。
……あたし、そんなに嫌なことしたっけ!?
「別に……君のことが気になったカラ」
頬を赤らめてうつ向き加減でそう言った。
これで落ちなかった男はいない…
…しかし転校生はハッと鼻で笑った。
「そうかよ。だったら一緒に遊ぶか?」
「……なにして?」
私は少し不機嫌に言った。
「そうだな……
スイカ割りでもするか?」
「スイカ割りぃ?」
次の言葉を発することもなくいきなり目隠しをさせられた。
「!!ま、前が見えないよ!」
「ひゃはは!ったりめーだろ、スイカ割りだぜ!?」
いきなり何かを握らされ、背中を押された。
「それで叩けよ、思い切り!」
暗闇の中で、転校生の笑い声が聞こえる。
……なにコレ、どうなってんの……?
「うわ、こっちくんなボケ、あぶねえだろが!?……そっちじゃねえよ、もっと右だバカ!」
なんであたしバカとかボケとか言われなきゃいけないんだろう……。
転校生に言われるがままに歩いていたら、
ついに標的の近くにたどり着いたみたいだった。
「そこだそこ!そこ叩け!」
私は早く終わらせたくて言われるがままに目の前を叩いた。
「や……!」
―えっ―…?
すっごい嫌な感触が、手に残った―…。
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