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僕が某宅配業者に勤めていた時の話。
夏の暑い日でした。
とあるお客様のお宅に、荷物を取りに行ったのですが、「荷物の準備が出来てない」との事。
この日は、たまたま暇で次の仕事の約束まで時間があったので、少し待たせて頂く事に。
年配のお客さまだったので、荷造りを手伝ったりしながら。十五分位かな。
出来上がった荷物を車に載せ、料金を受け取りハイ終了。
さて次の所へ行こうと、玄関を出た時でした。
「お兄ちゃん、手伝ってくれてありがとね、コレでも飲んで」と言いながら持ってきたのは冷えた缶ジュース。
素直に嬉しかったので「ありがとうございます!」と手を伸ばす僕。
プシュッ!
ん?プシュッ?え?
缶ジュースを開けてから渡され一瞬固まる僕。
それをあたたかい目で見守るお客様。
ココで飲んでから行けと?
いやいや、次行かなきゃだし!車でゆっくり飲みながら行きたいし!てゆーか、グラスに注いでるならともかく、普通缶ジュースは開封してから渡さないでしょ!
物を貰っておいて、我儘全開な思考がぐるぐる頭を駆け巡るのだが、悲劇はコレだけでは終わらないのだ。
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