イタイ飲み物

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 たっぷり五秒位間が空き、取り繕うように「チョウド、ノドカワイテタンデス」棒読みで言い、せっかく戴いたんだし、飲む姿を見せないのも失礼かと思ったその時。  缶に書かれた文字が目に入る。 『アーモンド・オレ』  もう一度言おう。暑い日だったんです。  余計にノドが渇きそうなネーミングの飲み物に、怖気付きながらも果敢に口に運ぶ僕。  一気に半分位まで飲み、早口で「じゃあ、次行かなきゃならないんで。コレ、車で戴きます。本当にありがとうございます。また宜しくお願いします」と、まくしたてて車に戻りました。  その家から見えない場所に、再び車を停めてドアを開け降りる間もなく・・・リバース。  ご飯中の方すみません。甘い飲み物のはずが、酸っぱいんです!開封したばかりの缶ジュースは飲料としての酸味とは逸脱してたんです!  すべてを出してから、相当ブルーな気持ちで、缶を見つめる。  賞味期限・・・二年も前に切れてるよ・・・つか、缶ジュースって腐るのか?  その後、予想通りに腹痛と吐き気に悩まされた事は言うまでもない。
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