ひとりぼっちの足跡

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歩み続けながら ずっと何かを探している。 その子の瞳はいつも まっすぐだった。 「ミキちゃん。お兄ちゃんね、 もう帰らないといけないんだ…。」 振り返った少女の目に ひとりぼっちの悲しみ なんて映らない。 「ミキね、 お母さんに会いたいの。」 その子はもう、ひとりぼっちだったから…。 「お母さん、お仕事で帰ってこれないって、お父さん言ってた。 とおくにいるって。」 「ふうん。」 キャリアウーマンの母は大変だなと思った。僕の家は専業主婦の母であったし、邪険におもったとしてもわざわざ会いたいなんて思った事がない。
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