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第三海域カーントレイユ海に浮かぶ小さな島、ニコル島。
人口300人程の、町が一つあるだけの小さな小さな島で、この海域最後の島だ。
第四海域へと渡るには、海境線特有な気候のせいで、月に一度起こる海が凪ぐ日でないと、次の島へ渡れない。
『鳴海』と呼ばれるその日がくるまであらゆる商船、客船が滞在するため、町は寂れる事なく賑やかな日が続いていた。
「サアヤ、こっちよ!」
「リンダ、待って!」
彼女、サアヤは前方を走る友人、リンダに向かって大きく手を振った。
背中にある籠が音を立てる。
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