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「どうした!?縄が痛ェのか!?」
「俺達の顔が怖いのか!?ぬ、布被ろうか!?」
二人の慌てっぷりに驚いてサアヤの涙が止まる。
呆然と二人を見ていると、浜の方から声がした。
その声に、また驚く。
「やべー、帰ってきた!」
「お、おィ顔拭け!船長が見たら叱られる!」
船の縁から、一人二人と顔を出す。
ぞろぞろと甲板に上がってくる人の中に知った顔を見つけて青ざめた。
「嘘…」
男ばかりの中に背の高い女が一人。
いや、あれは。
「あら?貴女、雑貨屋の…」
「どうした、アリノア」
女の後ろから、また一人見知った顔が現れる。
流れる赤い髪。右瞼から右肩へと続く傷。
ただ一つ違うのは、右目を覆う眼帯。
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