2、朽ちた時計台

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「シャークさんが言った通りだ…」 「あ?お前、シャークと居た娘じゃねぇか」 「…フェイト・マグラス?」 名を尋ねると、男は笑って頷いた。 「俺様を知ってるなんざ、なかなか見上げたお嬢さんだ。で、どうした?泣いたみてぇだが」 男、フェイトがそっとサアヤの目尻を拭う。 その手で引き抜いた小刀が、縄を切る。 「オーガ、ツィード。お前ら何した」 船に残っていた二人が呼ばれる。 「いや、俺達ァ…」 「縄で縛っただけでさぁ…それが突然泣き出して…」 「いきなりに海賊に捕まりゃあ誰でも怖がるだろうが!馬鹿か!」 怒鳴るフェイトの横から、女が顔を出す。 「ほーら、船長。あんまり大きな声出すと、彼女驚いちゃうじゃない」
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